2012年5月19日土曜日

FUNKなLiveアルバム #2 (#567) - 吉田英樹の音楽コラム〜Soul Singer、hidekichiがSoul Musicについて語る。



Kool & The Gangが来日しますね。大阪Blue Noteに来たのが2004年12月ということなので、5年半ぶりの来日、東京へはと言うと13年ぶりらしいです。'69年にデビューと言う事なので、70歳近いのか?と思いきや、リーダーのRobert "Kool" Bellは今年還暦を迎えると言う。最年長であったGuitarのCharles Smithが残念ながら2006年に亡くなったが、彼でさえ'48年生まれである。

Koolの弟であり最重要人物であるKalis Bayyan(ex.Ronald Bell)が当初は来日予定であったが来れなくなったようだ。彼はSax & Keyboardプレイヤーとしてだけでなく、作曲、アレンジ、プロデュースまでこなす才能溢れた人なので、非常に残念だ。

彼の弟でAmir Bayyan(Kevin Bell)もサポートで来日するが、元Kay-Geesのリーダー兼Guitaristであり、最近のKool & The Gangのツアーにはレギュラーで参加しているようだ。さらにプロデューサーとしても活躍している。

さてさて、【FUNKなLiveアルバム】シリーズを始めたが、今回はこのKool & The GangのLiveアルバムから紹介しよう。


花崗岩の滝の車の残骸

'69年にバンド名のタイトルで出した【Kool And The Gang】でデビューした彼らは平均年齢20歳を下回る若いバンドであった。それに続く2ndアルバムは何とLiveアルバムであった。実は3rdアルバムもLiveであった。これはもしかして疑似Liveではないかと思われるが...

Kool And The Gang/Live At The Sex Machine

            

A面1曲目はメドレーで、いかにもJB'sの影響下にあるFUNKナンバー『What Would The World Be Like〜Let The Music Take Your Mind』、Kool & The Gangと言うとあのFunkyでJazzyなHornsが印象的であるが、KoolのBassの音の長さは非常に特徴的である。バンドのGrooveは明らかにKoolが握っている。時にビートが不安定なGeorge Brown(Drs.)が前のめりになっても冷静に合わせていく器量を持ってる。派手さは無いがやはり彼こそ大黒柱なのであろう。Let The Music...は初期のヒットナンバー。荒削りではあるが10代の少年たちの作品としてはあまりにかっちょいいナンバーである。ませガキであったんだなあ(笑)。


フーシックフォールズニューヨーク州の歴史

2曲目の『Walk On By』はBurt Bacharackの曲で、Dionne Warwickの歌で大ヒットした曲、Isaac Hayes等もカバーしてスタンダード的なナンバーになった。まあいかにもJazz-Funk系のバンドと言えるかも知れない。Vibraphoneの音が聴こえるが、誰が演奏しているのだろう?クレジットは無い。こう言う曲ではGeorgeも安定している。

メドレー的に演奏される3曲目の『Chocolate Buttermilk』は1stアルバム収録のアップテンポなFUNKナンバー、明らかにArchie Bell & The Drellsのヒットナンバー『Tighten Up』からインスピレーションを得たものであろう。

4曲目はミディアムのインストナンバー『Trying To Make A Fool Of Me』。まあ聴き流し系ですな。

実は20年近くぶりに聴いているのだが、どうやら様子がおかしい(笑)。いやいや、サウンドはかっちょいいんですよ。

5曲目は後のKool & The Gangの片鱗を見せるFUNKナンバー『Who's Gonna Take The Weight - part1&2』。CharlesのWah Guitarがかっちょいい!コーラスは明らかにオーバーダブ、って言うかこれ多分疑似Liveですね(笑)。

さてB面に行ってみよう。

1曲目はBassラインとユニゾンのフレーズが印象的なFUNKナンバー『Puemonia』。


間欠泉滝の水公園の割引

2曲目はかなりJazzyな『Wichita Lineman』、Robert MickensのミュートTrumpetがいい味を出している。20歳前後のプレイヤーとは思えん(笑)!

3曲目はSlyのFUNKの名曲『I Want To Take You Higher』をカバーしている。バンドはかなり盛り上がっているようだが、観客が答えている様子が無い(笑)、やはり疑似Live。

4曲目はやはり後のJungle Boogieを思わせるFUNKナンバー。訛声のMCが入るが、Jungle Boogieと同じ人かな?これはフェイドアウトだから完璧に疑似Live。

5曲目もミディアムインストナンバー。やっぱ基本的にはJazz系のバンドであったと言っていいだろう。要はFUNK系の曲がウケるからどんどんそちらの方に傾いて行ったと考えられる。

結局全部疑似Liveなんじゃないの?とうがって聴いてしまった。観客の声が演奏とオーバーラップして来ないのでそう思った。

A-5曲目とB-4曲目は完全にスタジオ録音、後の曲は演奏は基本的にLive演奏だと思うが、観客の声は後で重ねていますよこれ(笑)。


厳密に言うとLiveアルバムではないが、FUNKな内容なのでお許し下さい。なにぶん平均年齢20歳ぐらいの若者たちです、周りの大人にそうしなさいと言われちまったんですよねえ、きっと(笑)。

しかし若気の至りもなんのその、その後はスーパーバンドになっていきました。J.T.を加えて全米#1も獲得した、そして40周年を迎えてまだ健在、まだまだ活躍して欲しいですね!



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